シティプロモーションの事例紹介

東京都墨田区のインナープロモーションの取組

東京都墨田区 報道・シティプロモーション担当

東京都墨田区 報道・シティプロモーション担当

今回のシティプロモーションの事例紹介は、スタッフプライドに力を入れている東京都墨田区役所にお伺いしました。

今回の取材対象者の二人。墨田区役所企画経営室広報広聴担当 報道・シティプロモーション担当の菅沼さん(写真右)と広報専門員の山田さん(写真左)
墨田区役所企画経営室広報広聴担当 報道・シティプロモーション担当の菅沼さん(写真右)と広報専門員の山田さん(写真左)

墨田区ではどのようなシティプロモーションを行なっていますか?

 主にシビックプライドとスタッフプライドの醸成を目的としたシティプロモーションを行なっています。

墨田区のシティプロモーションの重要ポイント シビックプライドとスタッフプライドの二つが両軸となっている図解
シティプロモーション記者発表(すみだ北斎美術館関連情報)https://www.city.sumida.lg.jp/wadai/20160418151410565.files/280418.pdfより抜粋

なぜ墨田区では、区外向けのプロモーションではなく、シビックプライドやスタッフプライドなどのインナー向けのプロモーションに力を入れているのでしょうか。

 H27年に現在の区長の意向によって、墨田区でもシティプロモーションを行うこととなり、当時のメンバーでだいぶ議論をしました。多くの書籍から勉強をするなかで、宣伝会議の「シビックプライド」、「シビックプライド2」という2冊の書籍で述べられていたシビックプライドの考え方が私たちの考えに合ったというのはあります。
 他の自治体と違って東京都は人口流入が多く墨田区も人口は増えています。また、墨田区の多くの地域は開発が済んでいるところが多いため、今から大規模な住宅開発をするというのも非現実です。そういったこともあり、他から人を呼び込むよりも、「人と人とがつながるまち墨田区」をコンセプトにして現在の住民同士のつながりを醸成して、お互いの満足度を上げて流出を減らすという考えに至りました。

シビックプライドの醸成ではどのような施策を行なっているのでしょうか?

 すみだ子どもPR大使という事業があります。小学3〜6年生のお子さんを10名ほど募って、PR大使になっていただき、市内のイベントや施設を取材してもらい、その内容を区のFacebookやケーブルテレビなどで流します。子供目線での面白いコンテンツが作ることができるだけでなく、その子供たちや親御さんのシビックプライドの醸成につながっています。お陰様で、PR大使になっていただいたお子さんの親御さんの満足度は高く、そのクチコミが広がったおかげか、現在では大使の応募が多くなっています。

すみだ子どもPR大使がほくさい音楽博を取材
実際にすみだ子どもPR大使の活動が掲載されたWEBページの抜粋
実際のページは、「sukisumi(「すき」があつまる。すみだのローカルメディア)」(https://cp.city.sumida.lg.jp/)で見ることができます。

有名人が大使になってPRをする事例は多いですが、地元の子供達にPR大使になってもらうのはおもしろいですね。他にはどのようなものがありますか?

 墨田区ではインスタグラムにも力を入れているのですが、やはり質の良い写真を高頻度にアップをしていくことに対して課題がありました。そのため、区民の方に参加をしていただいて、課題解決ができないかと考え、フォトコンテストを開催しています。フォトコンテストと言っても、賞金とかがあるわけでなく、優秀者を表彰し、その方達に写真を送っていただき、それを区のインスタとしてアップをしていきます。
 昨年度は4,000枚の応募がありました。

どうしてこんなに多くの方が参加をされたのでしょうか?

 応募者の中から10名を「すみだカメラ部10選」として表彰をするのですが、選ばれた方は、隅田川の花火大会のプレス席で撮影ができたり、スカイツリーの光量が上がる日に庁舎の屋上から撮影ができたり、など普通の人だと参加できない撮影会に参加できる権利がもらえます。それが良いみたいですね。

写真でつながる墨田区フォトコンテスト2020のトップページの写真
写真でつながる墨田区フォトコンテスト2020(https://sumida.tokyocameraclub.com/contest2020/)の抜粋

お話を聞いているとあまりコストをかけずに、うまく施策を行なっている印象がありますが。

 そうですね、そもそもあまり予算がないということもありますが、笑。知恵や協力してくれる人を活用して、行うようにはしています。先ほどのインスタグラムは、予算のこともありますが、賞金で人を集めたくないという思いもありました。賞金目当てになるとシビックプライドの醸成にはつながらないなと。